Ape Kade「みんなのお店」

あまかわ

スリランカ南部デニヤヤでは、小規模紅茶農家グループ・エクサ(Lanka Eksath Organic Deniyaya:「Eksath」は「United」で団結を意味)が有機茶葉の生産に取り組んでいます。ビジネス組織としての収入源拡大や地産地消の推進を目指して、Ape Kade「みんなのお店」も運営しています。お店は2ヵ所あって、1つはデニヤヤの街中にある事務所内に、今回この記事で紹介するのは、デニヤヤ村から4.5km北西に位置する、キリウェラドラ村にあるもう1つのお店です。

  
このお店の前には、南国の深い緑に囲まれた景色のなか、地域の人びとが使う一本道があります。元々は同じ敷地内の少し奥まったところにApe kadeはありましたが、階段を下りる必要があったため、年配の方や体が不自由な方が通うには大変でした。そこで、新しいお店はだれでも楽に通えるように道のすぐ横につくりました。階段もありません。また、以前のお店は伝統的な作り方で粘土と木の棒を使って作られていました。商品が太陽の日や風にさらされてしまうので、劣化を防ぐために開店と閉店時には毎日すべての商品を別の場所から出し入れしていました。建物の新しいお店はブリキの屋根、軽い断熱ボードで作られた壁で、雨の日でも風通しがよく湿気がこもらない作りでできています。

アペカデでは、ココナッツオイル、スパイス、エクサが作ったデニヤヤ産の有機紅茶、マグカップや、農家の人がココナッツの葉で編んだかごなどを販売しています。

いくつかの種類があるかごは、農村地域らしく、1つは紅茶の生茶葉を載せたり、茶葉の揉捻(じゅうねん)などに使われるものです。紅茶の加工工場でも見かけました。もう1つは片側が平らでお米の脱穀にも使われます。ちなみに、このかごを使ったスリランカの伝統的な踊りもあります。

Ape kadeは地域の人たちが集まるコミュニティスペースの上にあります。実際に私もここで農家の人とお話しする機会がありました。農家とスタッフ、村の人びとのコミュニティは、共に村とその家族を支える仲間の様に感じられました。スタッフのマドゥーシャは「デニヤヤの農家たちが、経済的に自立した生活ができるよう、持続可能なビジネスとして取り組みを広げていきたい」と話します。

パルマルシェで販売しているルフナ紅茶、アールグレイ紅茶は、フェアトレードの基準にのっとり、生産地の環境に配慮し、生産者は安全な環境で働き、適正な収入を得ています。商品の生産に関わる活動のみならず、パルシックは生産地で暮らす人たちのコミュニティがよりよいものになるように、地域の人たちの取り組みを支えています。これからも日本国内外を問わず、エクサの紅茶が広まっていくよう、取り組んでいきます。

関連コラム

エクサのビジネス展開とメンバーの誇り(Madusha

おすすめコラム