エクサのビジネス展開とメンバーの誇り

Madusha

2023年の今も、スリランカ経済危機の影響により、エクサ(Lanka Eksath Organic Deniyaya:「Eksath」は「United」で団結を意味)の農家たちも厳しい状況に立たされています。それでも、農家たちはネガティブな状況にも果敢に立ち向かう勇気をもって、活動を続けています。

紅茶の茶木たちは、2023年8月末からの1か月にわたる厳しい干ばつにさらされました。エクサの農家たちもこの影響により、収入を維持することが難しくなりました。しかし、10月に入ると雨が降り始め、その雨粒を通して、農家たちも茶の木も再び笑顔を取り戻しました。8月と9月には有機栽培茶の生産が減少しましたが、その後は回復傾向にあります。

スリランカでは新型コロナウイルスの影響で観光業が低迷していましたが、徐々に観光客の足跡も戻りつつあります。エクサのエコツーリズムへの参加者も増加しており、月に1、2グループが参加しています。彼らは農家が有機栽培の畑で奮闘する様子にふれたり、村人と食事や日常生活をともにしたり、オーガニック製品を購入したり、デニヤヤの美しい自然を満喫しています。エクサは現在、ビジネス組織としての収入源拡大を計画しており、その一環としてホームステイが大きな役割を果たしています。そして、これは私たちのストーリーを世界に発信する素晴らしい機会でもあります。

新たな試みとして、エクサは村に「みんなの店(Ape Kade)」を開店しました。この建物は、スリランカの伝統的な手法である泥土と屋根瓦を使用しています。天然の資材を集め、メンバー自身が手作りした店舗では、オーガニックな製品や牛乳、堆肥が販売されています。牛乳はエクサのコンポストセンターで搾り取られたものです。今後はお茶やハーブティー、手作りのお菓子も取り扱いたいと考えています。また、エクサメンバーの有機スパイス(トウガラシ、クローブ、シナモンなど)を集める集荷センターにもなる予定です。

「みんなの店」に加えて、町の中心にある事務所では、農家が育てた新鮮なフルーツを使用したアイスキャンディが販売されています。その低価格(10ルピー=約5円)のため、子どもたちに大変人気です。農家はフルーツを収入に変え、エクサは加工料で利益を上げ、子どもたちは10ルピーで健康なおやつを楽しむことができます。子どもたちが学校帰りに買い物に来ると、その時間は大忙しですが、私たちはそれをとても嬉しく思っています。これらの収入と利益は全て、エクサの参加農家の生活向上に注ぎ込まれます。

私たちはスリランカが厳しい状況にあることを理解していますが、それでも子どもたちのために良い未来を築く希望を胸に抱いています。農家たちは皆「エクサ(団結)」を胸に、良い製品、良い環境、良い地域を創り上げるために最善を尽くしています。
私たちは農民であることに誇りを持っています。

デニヤヤ事務所
Madusha W Narayana

 

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