アロマ・ティモールは、東ティモールの6県23グループで個別に活動していた女性たちがネットワーク化して立ち上げた共通のブランドです。商品はハーブティーの他、日本へは輸出をしていませんが、バージンココナッツオイルやバナナチップスなどがあり、女性たちが試行錯誤しながら協力し、良い商品をつくっています。農村で暮らす女性たちは、日々の農作業や家事、子育てと女性が果たす役割の大きさに比べ、経済的、社会的置かれている立場が弱いですが、このアロマ・ティモールの活動を通し、女性たちが直接収入を手にできるようになっています。
生産者の声
アンジェリーナ(マウベシのグループ Hanoin Ba Oin のコーディネーター)
アンジェリーナさんは2003年からパルシックのスタッフとして働き始めました。2005年にはじめてパルシックがそら豆チップス等とともにハーブティーをつくりはじめた時の担当者でもあります。
「マウベシの村では、コーヒーの収入にほとんどの生計を依存しており、コーヒーの収穫量によって1年間の収入が左右されます。だから、マウベシの女性たちが他の手段で収入を得て、家族の生計を支えることができる”アロマ・ティモール”の活動にやりがいを感じています。同時にこの活動を通じて、村の女性たちは経験を積んでや能力を高めたいと思っています」。
アンジェリーナさんのこの強い情熱とリーダーシップがなければ、Hanoin Ba Oin(ハノイ バ オイン)が活動を継続するのは難しかったことでしょう。
「私がはじめてこのグループのコーディネーターになった時、まず考えたのは、どのようにメンバーの信頼を集めるか、メンバーを満足させられるか、ということでした。10年以上の活動を続けていく中で、マウベシの女性たちの変化を感じます。これは女性たちがパルシックと一緒に活動をし、自分で収入を手にすることで少しずつ自身を得てきたからだと思います。いつか東ティモールの人びとが、輸入してきたお茶ではなく、私たちが地元で作ったお茶を飲むのが当たり前になる日を夢みています。日本の皆さんも、私たちが作った品質の良い健康的なお茶を日々の暮らしで是非、楽しんで飲んでください!」
ロザさん(ハイビスカスの生産者 マウベシ郡ハトゥカデ集落)
ロザさんが住む集落は、マウベシの町から徒歩で3時間以上もかかるところ。ロザさんはそこで12人の子どもを育て上げ、ハイビスカスの栽培にハチミツ加工、畑仕事と、日々忙しくしています。
彼女のハイビスカス栽培は、家のすぐそばに作った2平方メートル余りの家庭菜園から始まり、今では家から徒歩1時間くらい離れた畑も含めて、1.5ヘクタールほどに広がりました。試験栽培をしていく中で2期作が可能なこと、トウモロコシと混栽すると虫がつきにくくなることなど、マウベシの土地や気候に合った栽培方法を確立していき、今では年間30キロも栽培しています。毎年の有機JAS認証監査を、ロザさんは「自慢の畑を検査員に堂々と紹介するチャンス」と、心待ちにしています。
ロザさんが得るハーブティーからの収入は一家の大切な収入源ということもあり、大変な収穫作業には夫をはじめ家族皆で取り組んでいます。