【5月はフェアトレード月間】気候変動とパルシックのパッケージへの取り組み

ロバーツ

あちらこちらで植物が芽吹く季節になりました。新生活をスタートされた方も多いのではないでしょうか。パルシックも新年度の4月にスタッフで集まって、フェアトレード部の今年度の計画を話し合いました。

今年もフェアトレードの商品を通して多くの人たちとコミュニケーションを重ねること、願わくはお客さん同士がつながるきっかけをつくること、そしてフェアトレードの10の指針のうち「環境に配慮する」の項目に、特に重きを置こうと決めました。

気候変動の影響により、コーヒー(アラビカ種)の栽培適地が 2050年には今の 50%に半減すると警鐘が鳴らされ(いわゆるコーヒーの2050年問題)、スリランカの紅茶の産地では干ばつが頻繫して生産量(そして生産者の暮らし)に影響を与えています。これらの危険信号に対して、東ティモールやスリランカの生産者は、地に足のついた有機栽培を続け、地域に広めるための工夫をしたり、新たな加工法に挑戦したりしています。

今までパルシックが日本側でフェアトレードを広めていくにあたり、最もこだわってきたのは「美味しいものを売る」ことでした。コーヒーや紅茶は「公正なもの」「安心なもの」で一度は選んでもらえても、嗜好品のため、いかんせん美味しくなければ継続して購入してもらえません。継続されないと、フェアトレードはビジネスとして成立しないと考えたからです。必然的に使用する包材に対する私たちの意識は「(もちろん安全で)風味を損なわないこと」にありました。今までも環境不可を減らす包材への切り替えを検討してきては、品質保持の点から踏み込めずにいました。そんな中、生産地でのコーヒーや紅茶への気候変動の影響はもう待ったなし(通常は12月に咲くコーヒーの花が、7月にコーヒーチェリー(実)の隣で咲いているのを見たときには本当にびっくりしました)。

ということで「カフェ・ティモール(粉/豆)」の包材刷新を決めました。2022年度から包材業者さんと打合せを重ね、フェアトレード部でも冷凍保存や数か月にわたる保存をしてみたり、商談に見えたお取引先のコーヒー専門家の方にも試飲をお願いしてみたり……。そうして無事、品質保持に問題がないことが確認でき、紙でできた素材にヒートシール層をラミネート加工して作られた「シールドプラス」という素材の採用を決めるに至りました。シールドプラスは、ラミネート部分に石油由来の素材を使用しており、完全な脱プラとはならないものの、CO2の排出量は従来の包材より34%ほど削減されます。今後も段階的に、完全に石油由来の素材を使わないものにしていくことを目指します。

また「有機アールグレイ紅茶」「有機ルフナ紅茶」「有機ウバ紅茶」についても、2024年度中にティーバッグの素材を微生物などの生物の作用により物質が分解する「生分解性」の素材へと切り替える準備をしています。

さて、毎年5月の第2土曜日は国際フェアトレード・デーです。2024年は5月11日(土)がこの日にあたります。世界中でフェアトレードを盛り上げようとフェアトレードの生産者や組織、フェアトレードタウンなどがイベントやキャンペーンを企画しています。
日本ではこれに合わせて5月を「フェアトレード月間」としています。

パルシックもこの期間フェアトレードと環境をテーマにコラムをもう少し続けて書きたいと思います。

なお、5月から始まる「フェアトレード・ミリオンアクションキャンペーン」。今年のテーマは、すばり「気候変動」。フェアトレードのお買い物や#をつけてSNSへの投稿をすると、1アクションにつき1円がフェアトレード生産地の気候変動対策に活用されるそうです。ぜひ参加してみてくださいね。

ミリオンアクションキャンペーン 2024 ~想像できる?【  】のない未来~

https://fairtrade-campaign.com/

キャンペーンフライヤー ダウンロード(pdf)

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