PTA活動から考えたこと

かむら

私は中1の娘がいるのですが、幸か不幸か?! 今年度、小中の7年間で初めてくじ引きにあたり、PTA活動の1つ、国際・人権教育推進部の部員に選ばれ、1学年に3名、全校で9名の部員の1人という貴重な役を担うこととなりました。

先日は市が主催している人権講演会へ部員3名で参加し、そのレジュメを作成し、全校生徒の家庭に配布しました。今回はその講演会活動と今の自分の仕事とについて考えたことを綴ってみます。

講演会のテーマは「GIGAスクール時代の子どもたちに大人ができること」。

GIGAスクールとは、国が全国の児童・生徒1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備し、学校の授業でも活用していくという取り組みです。今の子どもたちは生まれた時からインターネットやスマートフォンがある「デジタルネイティブ世代」であり、GIGAスクール構想も進みつつあり、授業でのコンピューター活用も始まって、いい面もあります。しかし一方ではSNS利用も低年齢化していて、親も子どもたちのほうがSNSには詳しいと思っています。

それでも人としてのマナー、社会のルールなどの面ではまだ子どもたちは未熟です。そのため友人間の動画投稿やLINEでの言葉の受け取り方の違いによるトラブルに巻き込まれたり、知らない人とネットを通じて友達になり、親の知らない人間関係が作られていたりすることもあると聞きました。

実際トラブルに巻き込まれた時、子どもはそのことを親や学校の先生に話してくれるだろうか。日頃からコミュニケーションがなければ子どもは話してくれないだろう。だから中学生という微妙なお年頃の子どもたちとの距離感には親が気を配り、心を配り、SNSを有効に使えるように導いていく必要がある、というようなお話でした。

子どもたちが置かれている状況という話の中で、2022年の18歳未満の自殺件数が過去最多という話に大変ショックを受けました。

日本のように便利で安全な環境に暮らしていると、狭い世界の中で人間関係につまづいた時に、ゲームを終わらせるような感覚でリセットやシャットダウンをしてしまう子が残念ながらいるのです。昨今の少子化と言われる日本で、生まれてきてくれただけでも貴重な命を自ら断ってしまう子どもが増えていることの1つの原因がSNSだとなると、SNSをただ便利なものと受け止めるわけにはいきません。

一方、パルシックが活動している地域に住む子どもたちは、SNSを使うどころか電気の安定供給もままならず、パソコンやスマートフォンを持つことがあたりまえでない環境にくらし、さらには戦闘などもあれば安心して眠ることもできなかったり、1か月先も同じ場所にいるのかもわからず学校に行きたくても行けなかったり、食事で栄養を十分にとることもできなかったりするなど、「生きる」ということに必死に直面しています。

困難な内容は違っても、どちらも未来を担う子どもたちの命は大切です。

今はSNSと無縁に過ごせる子は少ないでしょうが、SNSの限定された世界にとどまらず、自分のリアルな人間関係や視野を広げ、困った時には周りの人に話し、自分だけで抱えないという選択肢を伝えておきたいです。そのために私ができることは、パルシックの活動で知る世界の子どもたちの状況を日本の子どもたちに伝え、大変なのは自分だけではないのだ、ということを感じてもらうきっかけづくりをすることなのだと考えています。

その種は今すぐには芽が出なくとも、その子が必要な時に必要な情報となって力を与えてくれるといいなと思います。

厚生労働省 令和4年版自殺対策白書
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2022.html

 

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