カンタ!から東ティモールコーヒーに出会うまで

きむら

5月20日は東ティモールの独立記念日。主権を回復してから21年目を迎えました。 私は10年目にあたる2012年に初めて東ティモールを訪れ、そのことがきっかけとなり今こうしてパルシックで働いているわけなのですが、先日ありがたいことに、そんな私の東ティモールへの思いを語る場を与えていただきました。

場を提供してくれたのは、昨年知り合ったアイヌにルーツを持つ友人。アイヌ文化を紹介する活動のかたわら、いつも東ティモールに気持ちを寄せておられます。20日の独立記念日につなげる形で15~19日の5日間、日替わりのゲストによるオンライントークイベントを企画されました。

私はちょうど真ん中、3日目の登壇だったのですが、前後のゲストを見るとそれぞれ東ティモールに深い造詣を持つ方々ばかり。前後の4日間でさまざまな角度から東ティモールについて学べると思った私は、中日はリラックスして休憩がてら聞いていただけたらと、東ティモールとの出会いから今に至るまでをメインに「カンタ!から東ティモールコーヒーに出会うまで」と題して自分のことをお話させていただきました。

私と東ティモールとの出会いは、2012年に観た映画『カンタ!ティモール』。体も心も傷つけられ、家族を失い、苦難の道を歩んできた人びとを追ったその映画は、前年に東日本大震災と原発事故を経験し「このままではいけない。」と思いながらも北関東の地方都市で何も変わらずに会社員生活を続けていた私にとって、とても大きな衝撃でした。映画の中で語られる出来事はあまりにも酷くて、目をそむけたくなる場面もあったにもかかわらず、映画を見終えて最も心に残ったのは人々のはじけるような笑顔と明るい歌声だったという点も、なんだか不思議な気持ちになりました。とにかく、とてつもなく感動した私は、地元での上映会を思い立ち、どうせやるなら東ティモールにも行ってみようとパルシックのスタディーツアーに参加し、その後上映会の開催をし、半年の間でぐぐっと東ティモールに(気持ちだけは)近づいたのです。

その後数年の時を経てパルシックで働くようになるのですが、この間にも東ティモールに関係するたくさんの人と出会い、たくさんの学びを得て、なかなかに楽しく生きてきました。

トークイベントではパルシックについて少し話した後に、このような個人的なことばかりを話したのですが、司会の友人と参加してくださった方々のおかげもあって、終始あたたかな雰囲気に包まれた楽しい会となりました。参加者の中には、私の高校の友人、大学の友人、大人になって出会った友人、パルシックの元スタッフもいて、これまでの自分の人生の縮図を見るようでもあり、こんなに素敵な人たちに支えられてここまで来たんだな……と、トークとは別のところで胸が熱くなったりも。日々の慌ただしさにかまけて忘れがちだった初心を思い出し、新鮮な気持ちをもう一度しっかりかみしめる、良い機会になりました。

ところで、独立記念日当日の5月20日はパルシック主催の「東ティモールのこれから~独立記念日に日本と東ティモールで考える~」というイベントが開催され、その様子はボランティアさんが素敵なレポートにまとめてくださっています。こちらは東ティモールの今について学べる内容となっていますので、是非あわせて読んでみてくださいね。

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