20年目に響く歌

きむら

5月は世界フェアトレード・デーがあるのと同時に、私たちにとって特別な日、5月20日の東ティモール独立(主権回復)記念日があります。特に今年は主権回復から20年の節目の年にあたる特別な年です。

2016年から毎年5月20日近くの土曜日に、東ティモール支援に関わる団体や教育機関などが実行委員となって、東ティモール・フェスタというイベントを行ってきました。トークステージやコーヒーの飲み比べなど、毎年工夫を凝らして取り組んできたイベントです。今年は節目の年ということで、パルシックは実行委員の1団体として例年以上に力を入れて、東ティモールの文化や歴史などの魅力をたくさんの人に知ってもらおうと準備を進めています。今年は5月21日(土)に上智大学を会場として開催され、また、20周年を記念してプレイベントやオンライン写真展なども開催されます。当日ご都合の悪い方や遠方の方、もちろん興味津々でご参加を予定されている方も、是非下記のリンクより詳細をチェックしてみてください。

東ティモール・フェスタ2022 公式サイト
https://timor-leste-fes.com

盛りだくさんな内容の東ティモール・フェスタですが、私のイチ押しは音楽ライブです。
フェスタのクロージングイベントとして開かれるライブには、20年前に東ティモール独立祝賀コンサート出演のご経験を持つ中川敬さんが登場します。


(東ティモール・フェスタ2022公式サイトより: https://timor-leste-fes.com/?p=1277

中川さんはロックバンド、ソウル・フラワー・ユニオンのヴォーカル・ギター担当ですが、その前身となるバンドから考えると80年代の終わりから活動しています。1995年に阪神・淡路大震災が起こると「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」というチンドン・ミュージック的アプローチのユニットが誕生し、電気の使えない被災地に出向いて慰問ライブ活動を開始しました。震災の被害が大きかったのは在日コリアンの方々が多い地域だったこともあり、彼らのレパートリーには韓国や朝鮮の民謡が加わりました。お年寄りでも楽しめるよう、古い日本の民謡や歌謡曲、労働歌も加わりました。彼らは少しずつ活動の場を広げ、2002年には東ティモールでコンサートを行いました。

そんな彼らの活動に、当時うら若きロックファンだった私はかなりしびれました。彼らの思いに共感し、活動を追い、時にはライブに足を運びました。彼らと出会ったことが、今、私がパルシックで東ティモールコーヒーを販売していることと繋がっています。

ここ数年の中川さんはソロ活動も積極的におこなっています。私はソロライブにも行ったことがありますが、5月21日のコンサートは、普段のソロライブとはちょっと違った特別なものになりそうな予感がしています。主権回復から20年、東ティモールの20年の歩みとともに自分の20年やこの先の20年にも思いを馳せながら、中川さんの歌に耳を傾けようと思っています。特別な思いとともに私の胸に響くことは、きっと間違いありません。

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