フェアトレード月間に考える“FAIR TRADE ISN’T JUST COFFEE!“

ロバーツ

皆さん、こんにちは。
さわやかな空に鯉のぼりがはためく季節になりました。大型連休、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

さて、5月14日(土)は国際フェアトレード・デーです。世界中でフェアトレードを盛り上げようとフェアトレードの生産者や組織がイベントやキャンペーンを企画しています。
日本では5月を「フェアトレード月間」としています。

ParMarcheのコラムでも、5月は「フェアトレード」に関連する記事をアップしていきます。

“FAIR TRADE ISN’T JUST COFFEE!” 

コーヒーを売っているParmarcheのタイトルとしては一聴には皮肉に思えます。「新商品のご案内かな?」と思われた方もいるかもしれません。いえ、これは、2021年の国際フェアトレード・デーに、WFTO(世界フェアトレード連盟:World Fair Trade Organization)が出した声明分のタイトルです。

文章はこんな風に始まります。

『今日は「世界フェアトレード・デー」です。でも、あなたが知っている「フェアトレード」のことは忘れてほしいのです。私たちはバナナやコーヒーの話をするためにここにいるのではありません。ビジネスの形、構造、目的、ひいては世界経済そのものを根本的に改革する方法について、今日は話をしたいと思います。』

声明文では、フェアトレードには主に、地域社会との結びつき、生産者との長期的なパートナーシップ、投資家のためでなくコミュニティ(従業員含む)のためのビジネス、環境配慮の4つの側面がある、と説明しています。その上で、世界中にあるフェアトレード企業が(生産方法は様々ながら)、新しい経済システムを構築するための=グローバルな資本主義の企業が変わっていくための、ロードマップを示していると説明しています。
人びとを中心においたビジネスは、上手くいっている時にはコミュニティへ繁栄が波及していくし、困難に直面したときには、レジリエンスをもたらすのだ、と書かれている箇所には、なるほど、と思いました。

2021年4月に東ティモールで大洪水が起き、パルシックが協働するコーヒー生産者組合コカマウも甚大な被害を受けました。そのことを、日本の消費者やお取引先の皆さんに伝えたところ、レジの直ぐ横の目立つ場所に「カフェ・ティモール」を置いてくださったり、寄付ボックスを置いてくださったりと、励ましの声やご寄付が日本各地から届いたのです。
思えば、フェアトレードが持つレジリエンスを目の当たりにしたのは、この時だけではありません。

このWFTOの声明は、このように終わります。

『マハトマ・ガンジーはかつてこう言いました。「世界はすべての人の必要を満たすに足るものを持っているが、すべての人の欲を満たすものはない」。フェアトレードの活動は、この事実を組み込んで成りたっており、すでに生態系を守るための改革、社会の福祉、そして最終的には経済の変革の鍵を開け始めているのです。持続可能で、責任ある行動をする企業の先導をなくして、真にグリーンでフェアな経済を構築することはできないのです。』

私たちが、フェアトレードを通して、目の当たりにしてきたレジリエンスや繁栄の基には、毎日家族を大事にしながらコーヒーをつくる人びと、環境への負荷を考えながらお茶をつくる人、加工する人、運ぶ人、日本で焙煎する人、スーパーに陳列する人……、多くの人たちの地道な日々に支えられていると思うのです。私もフェアトレードに関わるひとりとして、できることを、長期的に続けていきたいと考えています。

参照: https://wfto.com/article/fair-trade-isnt-just-coffee-its-roadmap-economic-revolution

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