量り売り販売にあこがれる – 東ティモールのカフェにインタビュー

なかむら

昨年頃から、SDGsの達成へ向け「サスティナブル」、「エシカル」などの言葉をテレビや雑誌、ニュースで頻繁に見聞きするようになりました。いろんな街に出かけてみると、エシカルな商品を販売したり、エシカルに配慮した取り組みを店内で紹介したりするお店が増えたように感じています。

「エシカル(ethical)」という言葉、直訳すると「倫理的な」という意味でなかなか定義が広いのですが、「エシカルな暮らし」というと「環境や社会に配慮した暮らし」ということになります。

私自身、「フェアトレード」も「エシカル」の中に含まれるのでパルシックでの仕事を通じていつも「エシカル」が身近にあり、実践しやすい環境にいると思っています。しかし物事には多面性があるわけで、何かに配慮したら何かがこぼれ落ちてしまうといったことは多々あり、どうやったら自分の暮らしがエシカルになるのかなと、取り入れては試行錯誤をしています。

そんな中で、今いちばんお気に入りで、いつか自分たちでも挑戦してみたいエシカルなことがあります。それは「商品の量り売り販売」です。

量り売りを取り入れたいのは、第1に包材のごみを減らせる、第2に必要な量だけ買える、第3に量り売り販売をしながらお客さんとコミュニケーションをとれる(!)、という理由からです。パルマルシェで販売している商品たち、良い品質のままたくさんの方に届けたくて個包装になっていますが、コーヒー豆やハーブの茶葉、紅茶の茶葉を、お客さんと「この週末にお友達が来るから今日は〇〇gちょうだい」「その人数なら、もうちょっと多いほうがいいんじゃないですか」などと話しながら、できればそのお客さんが持ってきたタッパーや瓶などに入れてお渡ししたいのです。

その量り売り、コーヒーとハーブティーのふるさと東ティモールにある、2021年9月にオープンした国産食品カフェ&ショップ「アロマ・ティモール」ではとっくに導入されているんです(うらやましい)。カフェスタッフに東ティモールの量り売り事情をインタビューしてみましたので、ご紹介します。

人気の量り売りメニューは?

カフェ アロマ・ティモールでは、ハーブティー、バナナチップス、自家製ハーブシロップ、ココナッツオイル、シーズニングなどが量り売りで販売されています。この中でよく売れているのはハーブティーで、日頃からハーブティーを飲まれている方が、包装された商品より低価格になっていることと、1グラムから購入できるので少しだけ試すこともできるという点が人気の理由なんだそうです。

マイボトルは進んでいるの?

日本ではマイバッグの普及が進んでいますが、東ティモールではマイバッグやマイ容器は一般的ではなく、お店ではスタッフ手作りの紙袋に商品を入れて渡しているそうです。カフェメニューにあるスイーツやドリンク作りに使用したハチミツやジャムの空き瓶を、量り売りのお客様に無料で提供することも始めたそうで、容器をリユースするのもエコで良いですね。地方へ行くと、マイ籠(東ティモールの場合、竹ではなくヤシ科植物の葉を使用したものが多い)で買い物をされる方もいるんだそうです。

量り売りで買える場所は他にもある?

市場ではもちろんのこと、首都ディリの大きなスーパーでも穀物類、ナッツ類、中華食材(海藻、きのこ等)、野菜、お肉などが量り売りされているようです。ただここでも買い物に容器を持参することは一般的ではなく、多くの場合はビニール袋に入れてもらうとのことです。

東ティモールはもともと食料品や生活用品のほとんどを輸入品に頼っていて、商品パッケージを作るにも輸入コストや輸送のエネルギーがかかってしまうから、気軽に個包装の商品化ができる環境にありません。しかし逆に、そうした環境に負荷をかけない販売方法こそが最先端であり、日本で「エシカル」な暮らしを模索している私が東ティモールの暮らしに憧れを抱くきっかけになっています。

日本でもいつかカフェ アロマ・ティモールのようなことができたらいいな、と日々妄想しています。

loja & café AROMA TIMOR
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