アロマ・ティモールにも使われている、東ティモールで自生するハーブの特徴や効能について、東ティモールで実際にハーブを調査にも携わっていただいたハーブ専門家の永田洋子さんにお聞きしました。
ハーブ一覧
ツボクサ(ゴツコラ)
普段聞きなれない「ツボクサ」という植物は、日本でも暖かい地域、隠岐ノ島や宮古島などに自生しています。効果・効能が高く、アーユルベーダやWHOでも高く評価されている植物です。東ティモールは熱帯でありながら夜はしっかり冷えるという気候的特異性があり、この寒暖差により、ツボクサの成分が中にぎゅっと蓄えられ、効能がより強いことが期待できます。事実、味や香りも強いオススメのハーブです。
スリランカ料理ではよくサラダ(サンバル)に使われますが、東ティモールで現地の人びとに聞いてみると「自分はツボクサを知らなかった。インド人の神父さんが採っていたのでそれをマネして食べていた」と話してくれました。意外と新しく利用されるようになったハーブティーかもしれません。
和名:ツボクサ
インド名:ブラフミー (最高位のものの意)
学名:Centella asiatica
科名:セリ科ツボクサ属
原生地:インド
ツボクサ(ゴツコラ)の効果・効能(有効成分)・・・
- むくみ抑制
- 利尿作用(サポニン)、デトックス
- 美肌効果(化粧品にも使われています)
- やけどや傷跡の治癒の促進
- 認知能力を高める(トリペルテン)
- うつ・不安ストレス軽減
- 不眠症改善
- 血行促進、冷え性の改善
など
記憶力の増強も期待できるため、試験前の受験生や認知症の予防にもオススメです。
ミント
・和名:緑薄荷(みどりはっか)
・学名:Mentha spicata
・科名:シソ科ハッカ属
・原産地:地中海沿岸
スペアミントの効果・効能(有効成分)・・・
・咳止めとしてのどあめに使われる(カルボン)
・集中力を高める、記憶力の向上(ポリフェノール、ベータピネン)
・吐き気、乗りもの酔いの緩和
など
元々東ティモールで最もよく飲まれているハーブティーです。目覚めのときに飲むとよいハーブです。強いハーブなので妊婦は摂取を控えめにし、お茶を薄めにして飲みましょう。ミントはうがい薬、歯槽膿漏殺菌予防にも使えます。
アボカドリーフ
東ティモールでは元々腹痛の薬として飲用されていますが、中南米でも腹痛の薬として使われているという記事を見たことがあります。果実だけでなくアボカドリーフにもビタミンEがたくさん含まれています。
和名:鰐梨(ワニナシ)
学名:Persea americana
科名:クスノキ科ワニナシ属
原生地:南アメリカ北部~メキシコ高地
効果・効能(有効成分)・・・
- 体を温める作用によって入眠効果
- 疲労回復(ビタミンE)
- ホルモンコントロール、月経異常の改善(ビタミンE)
- 下痢・腸内ガスの改善(フラボノイド:サポニン、タンニン)
- 血管のアンチエイジング(フラボノイド:抗酸化作用)
など
ライムリーフ
和名はコブミカンといい、ビタミンAとビタミンCが多く含まれています。
和名:コブミカン
学名:Citrus hystrix
科名:ミカン科ミカン属
原生地:東南アジア
効果・効能(有効成分)・・・
- メラニン生成抑制、日焼け防止効果
- コラーゲン生成促進でシワ予防(フラバノン)
- 抗酸化作用(フラボノイド)
- 血行促進・冷え性改善(ビタミンE)
- 免疫力向上(フラボノイド)
- 脂肪燃焼効果(クロロゲン酸)、コレステロール除去作用(サポニン)
- 月経異常の改善(ビタミンE・鉄分)
- 香りが爽やかなので、朝のリラックスに
など
シトロネラ、リモネンの防虫効果によって、煮だし汁は天然の蚊よけスプレーになります。作り方は、ライム、ミント、レモングラスを煮出して冷蔵庫に保存します。スプレーして15分くらい虫よけ効果が持続します。
葉っぱパックで美白効果も期待できます。また近年は認知症の予防にも注目されており、大学での実験も行われています。
葉をパウダー状にしてドレッシングに足すなど、料理にも使えます。
月桃
標高が高めのところに自生していて、ショウガ科の仲間で殺菌消毒があります。日本の琉球地域では、団子や餅をくるんで保存するのに使っています。
東ティモールでも同様に、魚料理を日持ちさせるためにくるんで蒸し焼きに使っています。
ポリフェノールは赤ワインよりも多いといわれており、抗酸化作用、脂肪吸収を抑える作用が期待できます。
和名:ゲットウ
学名:Alpinia zerumbet
科名:ショウガ科ハナミョウガ属
原生地:インド
効果・効能(有効成分)・・・
- 生理痛・更年期障害などの症状緩和(マグネシウム・カルシウム・鉄分)
- 美肌(カワイン:コラーゲン生成促進)
- むくみ解消(カリウム)
- 便秘解消(食物繊維)
- ガン抑制(フラボノイド
- 貧血改善
- 出産後のカルシウム補給
- リラックス効果(フラボノイド、テルピネン)
など
乾燥茶葉は香りが強いので虫よけ効果もあります。
妊娠中は避けることをお勧めしますが、飲むならば薄めて飲むようにします。
ハイビスカス
ビタミンCがたっぷり含まれていて、クエン酸、カリウム、アントシアニン(ポリフェノールの一種)も含まれています。
和名:ベニアオイ
学名:Hibiscus* sabdariffa
*神に捧げる花の意
科名:アオイ科フヨウ属
効能・効能(有効成分)・・・
- 疲労回復(クエン酸、ハイビスカス酸)
- 美肌(ビタミンC他)
- むくみ解消(カリウム:利尿作用)
- 疲れ目解消(アントシアニン)
- 脂肪分解効果(リンゴ酸)
- 脂肪の吸収を抑制(アミラーゼ)
など
強いハーブなので妊娠中は避けましょう。ハイビスカスの葉っぱは、ミャンマーでは魚や肉のスープに刻んで入れて、食べられています。酸味を足すのにも使われます。
レモングラス
東ティモールではほうきにして室内を掃いていました。香りがよく、殺菌効果があるので、理にかなっていますね。その殺菌効果から生魚のマリネなどに使われます。
・和名:檸檬萱(レモンガヤ)
・学名;Cymbopogon citratus
・科名:イネ科オガルカヤ属
・原産地:インド南部~スリランカ
効果・効能(有効成分)・・・
- リフレッシュ効果(シトラール、リモネン・ゲラニオール、ミルセン)
- 殺菌(シトラール、ゲラニオール)
- 利尿効果(カリウム)
- デトックス(クロロゲン酸)
- 二日酔い改善
- 美肌効果(シトラール、葉酸)
- 母乳が出やすくなる
- 防虫・芳香効果
など
1日に3~4杯飲むのが効果的です。妊娠中は控えましょう。また、イネ科のアレルギーをお持ちの方、芝生でかぶれてしまったことがあるような方は気を付けましょう。